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HATTORI食育クラブ 食育通信No.38

対談

日本の希望をつなぐ食育弁当の輪

全国の給食産業会社様が
ネットワークを張り、
毎月19日に「食育弁当」を提供する
取り組みをされています。
今回は服部学園にお集りいただき、
服部幸應の食育講話に続いて、
各企業様にお取り組みについて
ご紹介いただきました。

服部幸應食育講話

安心・安全・健康を意識した食育弁当をご提供されている運動は本当に素晴らしいことです。現在、外食産業や中食にも食育を実践する必要がありますから、どんどん進めていただきたいですね。今回はあらためて食育について整理させていただき、いっそうご活動にお役立てください。

食育の三本柱

食育のイメージを聞くと、農業体験でしょう、親子の料理教室でしょうと答える方が多いのですが、だんだんと、もっと広い意味があることが認知され始めています。 私は食育を三本の柱でご説明しています。swiss replica watches

1.選食力をやしなう

何を食べたら健康になれるかを知り、安心安全な食を選ぶ力を身につけるということです。 旬にそって食べることや地産地消、また今の時代はナチュラルでないといけません。 はじめはみんな無理だと言っていましたが、イタリアのスローフード運動などに始まり、生産者も農薬や化学肥料を極力使わないようがんばっています。日本の有機は基準が厳しく、普及率は1%に届きませんが、自分たちなりのルールを守ろうと努力されているのです。 安心安全な食材を使って、お弁当ではむずかしいとはわかっていますが、保存料などの添加物をできるだけ使わないでいただきたいとお願いしています。 味も多様性を持たせてほしいですね。食材そのものの味を引き出したり、地域によって味つけも異なるでしょう。食べてほっとする郷土の味を目指していただきたいですね。 添加物を入れないようにした方からは、やはり売れるというお話を聞きます。消費者のニーズがあるのです。 もちろんご家庭でも、調理済み加工食品ばかりではなく、少しでも手作りをしておふくろの味を子どもに食べさせていただきたいですね。

2.マナーやしつけ

衣食住の伝統を継承することです。 はしの持ち方などを伝え、社会でどうふるまうかを子どもにしつける場所は家庭の食卓です。 かつて私たちは祖父母、父母、兄弟と大家族でしたが、昭和40年代に核家族化がすすみました。お姑さんからお嫁さんに伝わっていた家庭の味やしつけの知識が途絶え、子どもが何をどう食べても怒られません。子どもたちに大人の目が届かなくなったのです。かつては「はしをきちんと持ちなさい」「姿勢が悪いぞ」と口うるさく言われたものです。食卓でしつけられなかった子どもは社会に出てマナー良くふるまえず、ストレスに弱く、うまく生きて行くことができない。キレてしまう、自殺まで追い込むいじめをする、関係のない人を刺してしまうなど、相手を思いやる心を持てなくなってしまうのです。 0~3歳はスキンシップ期間で愛情をはぐくみ、3~8歳はしつけ期間で社会でのふるまいを身につけさせます。脳科学的に小脳は8歳で完成します。8歳までに人間脳にしてあげないといけません。

3.地球規模で食を考える

環境問題、食糧問題などの対策をし、持続可能な食を実現することです。 20世紀の科学の発達で私たちの暮らしは便利になりましたが、その代償に地球は壊れかかっています。もとに戻らない物質をた くさん作ってしまい、土や空気や水に残った物質がいたずらをしてしまう。自然だったころのように物質がうまく循環し、それが持続可能である地球にしていかないといけません。農薬・化学肥料やビニールを使わないオーガニック農法も持続可能である例でしょう。 また、日本の安全保障の面もあります。食糧、水、ガス、電気が止まったらどうするか、という想定が教育されていません。日本は水が豊かですが、水源地などが外国に買われている実情もあります。 そして日本の食料自給率は40%です。有事での食が保障されていないのです。今回は日本各地からお集りいただいていますが、地産地消で食材をお使いいただいて、ご自分の地域の自給率をアップしていただきたい。 日本も世界も持続可能にすることを食育は考えています。筋を通し、プライドと使命感を持ってすすめていただきたいと思います。

www.replicareps.com 平成17年に施行された食育推進基本計画は、今年第二期に入ります。そして今年から小学校の、来年から中学校の学習指導要領に食育が入り、子どもたちにいっそう食の知識が身についていきます。良いものを作ることが、競争に勝てる時代となるでしょう。 そして、いま消費者に安心・安全の食育を伝える要になるのはお集りいただいた皆さんです。一段落、ニ段落と報告会をしていきましょう。本日はわざわざお越しいただき、ありがとうございました。

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