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HATTORI食育クラブ 食育通信No.33

対談

鳥塚 ルミ子のオーガニックセラピー
オーガニックを知り、伝えていく

鳥塚 ルミ子
国際オーガニックセラピー協会/
オーガニックセラピスト

服部 幸應
服部栄養専門学校 校長/医学博士
「オーガニック」は、日本語にすると「有機的」となります。 有機栽培の野菜を食べるという意味だけではなく、土、水、太陽、植物、動物すべての有機的なつながり、地球の循環性を大事にするライフスタイルという、広い概念があります。 オーガニックはサスティナビリティを目指す食育に欠かせません。

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服部
鳥塚先生はニュージーランドで、何もないところからリフレクソロジーサロンを起業されていますが、すごいことだと感心しています。
鳥塚
ありがとうございます。2年後にはオーストラリアで起業して、そこでオーガニックに出会いました。
服部
ニュージーランドやオーストラリアでの、オーガニックのあり方はやはり日本とは違うものですか。
鳥塚
そうですね。あちらではもう日常に溶けこんでいて、生き方そのものがオーガニックという印象です。また、日本でも実践されている 方はいますが、ローズマリーで害虫から農作物を守るなど、栽培の知恵が優れているんですね。
服部
薬の代わりにハーブを使うんですね。日本には40年前、農業従事者が1440万人いましたが、現在は299万人。戦後効率化を計るために農薬、化学肥料が推奨されて、今に至ります。土の力は本来強く、作物が放っておいても育つものですが、薬が使われると弱くなってしまう。
鳥塚
その負荷が、アレルギーの蔓延といった形で現れていますね。オーガニックといえば食べ物はもちろん、化粧品や洗剤など、日常で使うものにも気をつけていただけると良いと思います。数はまだ少ないですが、良心的なものを積極的に探していただきたいですね。
服部
最近は専門に扱っているお店も増えています。手間がかかるぶん、何割か高くなりますが。
鳥塚
オーガニックのものを買う価値を知っていただきたいですね。自分の健康はもちろん、良心的な生産者をバックアップすることにもな ります。徐々にではありますが、消費者が増えていくことで買いやすくなっていくのではないでしょうか。
服部
日本もスローフード運動やマクロビオティックなどの流行があって、オーガニックがずいぶん広まってきましたが、まだまだ鳥塚先生にはがんばっていただかないといけませんね。
鳥塚
はい。5月からは短期的、集約的にオーガニックを学べる「オーガニックセラピスト」の資格検定を始めたりと、オーガニックや食育をすすめていきたいと思います。とくに、子どもを育てている方、これから育てる予定の方に学んでいただけたらと考えています。
服部
鳥塚先生の着眼点は本当にその通りで、子どもを育てる大人に知識がないといけません。子どもの小脳は8歳に完成しますので、それまでにきちんとしたしつけが食卓で行われていないといけないのです。食卓で子どもにきちんと箸を持ちなさい、残さず食べなさいと小言を言うとストレス教育になります。現在の子どもは核家族化による「こ食」などで叱られる経験をしておらず、食べるものが偏ったり、注意されるとキレるわがままな性格になってしまう。
鳥塚
ニュージーランドやオーストラリアでは、大人は17時に帰ってきて、18時に家族でごはんを食べ、21時に寝るという生活が当たり前です。日本は仕事が忙し過ぎますね。オーガニックセラピストの資格は、セラピストの地位を高め、ワークライフバランスがとりやすい雇用機会を増やす目的もあります。家族とのコミュニケーションの時間を取りやすくすることができたら良いなと。
服部
なるほど。就業条件が良くなり、オーガニックの知識を持つ人が増えると良いですね。私は日本の食料自給率を上げなければと考えていますが、夕飯のメモを持ってスーパーマーケットへ行く時に、日本でとれたオーガニックの食材をください、なければ、次に来る時には日本のものを用意しておいてくださいと伝えてほしい。するとお店、生産者の意識が変わっていきます。意識の高い人は具体的な行動に移して広めていただきたいと考えています。
鳥塚
消費者の10%が変わると企業も変わると言われていますね。
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服部
また、どんなに良いものを企業が作っていても、消費者がその価値を知らなければ経営は成り立ちません。鳥塚先生にはぜひ、消費者と生産者、企業をつなげるパイプになっていただきたいですね。
鳥塚
はい。多くの人に、自分の健康はもちろん、周りの大切な人の幸せ、ひいては地球環境への配慮にいたるまで、意識をしていただけるようになったらと思います。

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