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What's 食育

第3話

地球規模で食を考える。

環境問題や食糧問題、食料自給率など、グローバルな視点で食を考えます。

教えて、服部先生!

女の子からの質問

なぜ食べ物を残してはいけないの?

服部先生からの答え

食べ物は生き物ですから、最後まで感謝の気持ちを持っていただきましょう。
また、日本の食料は多くが外国産のもの。世界に飢えている人がいる中、
輸入してまで捨ててはいけません。

解説

日本は残飯大国です。一年間の食品廃棄物量は1800万トンにものぼります。このうち、約60%が家庭から出される生ゴミ。そのうちの73%は食べられない部分ですが、27%の約338万トンは、食べ残しや手つかずの食品なのです。

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日本の食料自給率はカロリーベースで40%です。(H21年度)金額にすると、約12兆円。日本人の残飯は約11兆円ですから、日本人は国内で生産している食料の90%、輸入を合わせた全食料のほぼ3分の1を捨てていることになります。これだけ無駄にしながら、外国から60%も輸入しているのです。
現在、世界で飢えている人は12億人います。日本が捨てている10兆円分の食糧を分けられたら、多くの人の命が助かります。食べ物を残すことは、とてももったいないことなのです。

「もったいない」という言葉は、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが「4Rが入っていて素晴らしい」と世界で広め、MOTTAINAI運動をされています。4Rとは、リユース、リデュース、リサイクル、リスペクト。尊敬を抱き、ものを無駄なく大事に使うということです。
もったいない精神で、無駄なく買い、残さず食べましょう。

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女の子からの質問

外国産の食べ物を買うと、なぜ環境に悪いの?

服部先生からの答え

外国産の物は飛行機や船で輸入され、運ぶ距離が長くなり、地球温暖化の原因のCO2をたくさん排出してしまいます。

解説

食べものがどのくらいの距離を運ばれてきたかを表す指標を「フードマイレージ」といいます。距離が長いほどガソリンなどの燃料を使うので、地球温暖化の原因のCO2を排出してしまいます。
そして、食べものをどのくらい自国でまかなっているかを表す指標を「食料自給率」といいます。現在日本はカロリーベースで40%、生産額ベースで70%です。カロリーベースでは60%も海外に依存していることになります。食料自給率は、8月15日の終戦記念日に農林水産省から発表されるので、毎年チェックしましょう。

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輸送のために排出するCO2を減らすためにはもちろん、安全保障の面からも食料自給率は大切です。現在、世界人口が増えており、2050年には90億人になるといわれ、食糧不足が心配されています。すでに自国を守るため、日本に輸入をしないと宣言した国が20カ国以上あり、今後60~70カ国は輸出しなくなるでしょう。
そして、経済の豊かな国が台頭しており、これまでは日本の商社が外国の食品を買っていましたが、買い負けをしています。
水道・電気・ガスなどのライフラインや、食糧が途絶えてしまう危機は、我々は実際に経験しています。安全保障の面を考えることも、食育には重要なのです。

食料自給率を上げるためには、お米を食べること、国産かを確認して買うことが大切ですが、現在、日本は「地産地消」と言っている場合ではなくなってしまいました。国内でも食料自給率の高い東北地方に地震、津波の被害が大きく、原発事故による放射能汚染が起こっています。
しかし、放射性物質は基準とモニタリングを的確にして安全性を確かめながら、一日も早く復興するよう、しっかりと支援をしましょう。

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