食育に関する情報・食育の実践なら 【HATTORI食育クラブ】

メディア

HATTORI食育クラブ 食育通信No.7

対談

食育を提唱する服部幸應氏と、「料理の鉄人」のキッチンスタジアムでも使われた浄水装置『シーガルフォー』の輸入販売を手掛ける引地正修氏が、水と食について語ります。

引地 正修
グランドデュークス株式会社
代表取締役
(写真左)

服部 幸應
服部栄養専門学校 校長/医学博士
(写真右)
引地
「水」は料理における「食材」のひとつであり、「食育」の一環として水にもぜひこだわってほしいと思っています。というのも、水に含まれるミネラルバランスが料理の味に関わってくるからです。
服部
確かにその通りです。普段私たちが飲む水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が溶け込んでいて、その含有量によって味に違いが出ます。
日本の水はミネラル分が比較的少ない「軟水」ですが、軟水はカツオ節や昆布のだしをうまく引き出します。
逆にヨーロッパなどの水はミネラル分の多い「硬水」で、西洋料理のスープは硬水でとった方がコクが出ます。
引地
日本料理の繊細な味わいは、素材の風味を引き立てる軟水が育んだといえますね。私はその土地の食材をその土地の水で調理するのが、その土地で育った人間にとって一番おいしくて体にいいと考えています。
いわば水の「地産地消」です。
服部
食育でも同じことを伝えています。日本人の食生活は急激に欧米化した高脂肪・高タンパクのため、日本の水ではミネラル不足といわれ、ミネラルウォーターがもてはやされたりしています。
でも本来、世界でも有数の健康食といわれる日本食では、欧米食ほど体にミネラルを必要としないし、乾物や海藻などでミネラルを十分に補給できます。地元の食材や地元の水に、もっと目を向けるべきです。「水」は「食材」のひとつ。
引地
水道水はどうしてもカルキ臭がするし、安全性も取り沙汰されています。おいしくて安全な水について、いっそう考えていかなくてはなりません。
また水の安全を考えると、やはり水を汚さないという根本的なところから取り組む必要があります。
服部
水の汚染や飲み水の不足は、深刻な食糧問題のひとつです。
地球上に存在するすべての水のうち、私たちが飲み水として利用できるのはわずか0.04%しかありません。約97%が海水で、残りの3%の淡水もほとんどが氷河や氷山、それと地下水で、地中の深いところで手に入りません。
また1kgの米を作るのに必要な水は4トン、1kgの牛肉では20トンにもなり、それらの食料を輸入することは同時に水を輸入することでもあるんです。
引地
「米のとぎ汁や油を流しに流さない」など、普段の生活の中から水を大切にしていきたいですね。
また水にもいろいろあることを知ってもらい、自分がどんな水を必要としているかを分かった上で、水を選んでいただきたいと思います。
服部
日本は昔から水に恵まれてきましたが、どうかそれに安住せず、残飯は「水に流さずに」、水を大切にしていきましょう。

バナースペース