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HATTORI食育クラブ 食育通信No.8

対談

食育を提唱する服部幸應氏と、世界の「キッコーマン」の社長 牛久崇司氏が、日本の食文化から家庭でのしつけまで語ります。

牛久 崇司
キッコーマン株式会社
代表取締役社長
(写真左)

服部 幸應
服部栄養専門学校 校長/医学博士
(写真右)
牛久
最近、和食が見直され始めています。もともと日本人はお米や魚、醤油を基本にした食事をしていました。これが一番体に合うのでしょうね。
服部
そうですね。流通が未発達だったこともあり、昔は地産地消が基本でした。それを基に私たちの体も出来上がっているわけです。しかし、ここ30年で急激に食べ物が変わってしまった。
あるデータによれば、ハワイの日系3世の糖尿病発症率は、純粋なアメリカ人の6.4倍にもなるそうです。
3世ともなれば、体も食生活もアメリカ人とほとんど変わりませんよ。それなのにです。日本人の体質は、高脂肪食に合わないのでしょう。
牛久
やはり日本人のDNAに合わない。swiss replica watches
服部
ということでしょう。実は、奈良時代に鳥インフルエンザのことを詠んだ和歌があるんです。
それは1月7日に「七草がゆ」を準備する時の歌で、「なんなん七草…唐土の鳥が、日本の土地に渡らぬ先に、かち合わせてぼーとぼと。ぼーとぼと」って。「ぼーとぼと」と言うのは、落とすという意味です。
つまり、中国から渡り鳥が来る前に、七草がゆで緑黄色野菜を摂って、体力をつけ、風邪菌に負けないようにしようと。
牛久
昔の人は、生活の知恵でちゃんと知っていたわけですね。
服部
それなのに、日本は急激に変わり過ぎてしまいました。
牛久
わたしが子どもの頃は、家族そろって食卓を囲み、皆で同じものを食べていました。それがいまでは難しいことになってしまいましたね。
服部
その通りです。核家族化が進み過ぎて、家庭でのしつけが十分に行われていないとも感じます。
牛久
欧米の方が、家族と過ごす時間を大切にしているし、今でもしつけがしっかりしているようです。
服部
昔は日本でもそうでした。食事からマナーを覚えたし、悪いことをすると周りの大人がしかってくれた。
牛久
今は誰もしかってくれません。あいさつができない人も多いような…。
服部
そうですね。でも実際『みんな平等なんだから、あいさつなんて必要ない』と言う先生だとか、『給食費を払っているから、いただきますなんて必要ない』と言う親がいたりするんですよ。とんでもない話です。
牛久
あいさつはとても大事です。昨今の拝金主義の風潮はよくないですね。
服部
大人から教育しないといけません。食育に関しても、大切なのは家庭での教育です。
あるデータによれば、味覚は3歳から8歳で決まるとも言われています。家庭の役割は重要です。
牛久
私たちは「おいしい記憶をつくりたい。」というスローガンのもとに食育に取り組んでいます。
「おいしさ」は、誰と食べるか、どんな気持ちで食べるかによって随分変わります。
家庭における食の豊かさを取り戻してほしいですね。私たちもそのためのサポートをしていきたいと思います。

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