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HATTORI食育クラブ 食育通信No.52

対談

新時代にふさわしいソースをお客様と共につくっていきたい

ブルドックソース
代表取締役社長
池田章子

服部栄養専門学校
校長/医学博士
服部幸應

ソースは日本を代表する食文化のひとつ

服部
私は、日本政府の依頼を受けて世界各国で日本の食文化、食材、料理を紹介する機会が多いのですが、ソースも外国の方に伝えたい日本の誇れる味、食文化と思っています。
池田
とても励みになるお言葉、ありがとうございます。ソース自体は元々イギリスのウスターシャ地方が発祥の地で、明治時代に日本に伝わってきたものですが、洋食はもちろん和食にもと、日本人の口に合うように水準を高め、独自の進化を遂げてきました。
服部
外国の方でも、とんかつにソースをかけて食べさせたら、そのおいしさにノックアウトされますよね(笑)
池田
そうですね。今年7月のイタリア・ミラノ万博で非常にたくさんの方々に「おいしい!」と言っていただきました。服部先生もいらしてくださって、一緒にデモンストレーションしていただきありがとうございました。
服部
いやいやびっくりしましたよ。ミラノ万博の会場で、ブルドックソースのブースへ行ったら、社長自らがデモンストレーションをされていて。
池田
ソースはそのままでは試食しづらいですから、とんかつにかけて召し上がっていただこうと思って。
でも、いきなりとんかつを出しても手が伸びないかなと思ったので、とんかつと似ているミラノの名物、「ミラネーゼ」との食べ比べにしたんです。
服部
そこで、100人に統計を取ったんですよね。どちらが好きかって。そうしたら98人が「とんかつ」だと。
残りの二人は、「自分たちはミラノ人だから」という理由で「ミラネーゼ」。
池田
ミラネーゼはお肉を叩いて薄く伸ばしているから、サクサク感はとんかつと同じですが、ジューシー感では厚みのあるとんかつの方が勝りますからね。
服部
そこにソースがかかると、もうたまりませんね! 私は子どもの頃からとんかつが大好きで。もちろん、ソースはブルドックのとんかつソース。あ、それに焼そばも好きでしたね。今でもやたら焼そばが食べたくなる日があります。幼い頃の幸せな食卓の情景を思い出す、そういうインパクトがソースにはありますね。
池田
昨年から、商品のキャップに「おばぁちゃんもお母さんもソースはブルドック」というキャッチフレーズのシールを貼ったら、予想以上の反響があって。
服部
安心感があっていいですね。コロッケやとんかつなんかにお母さんがソースをかけてくれる、それだけでおふくろの味になっちゃうんですよね。

食文化は「家庭食」が基本 食卓を家族で 囲む時間を増やしたい

服部
以前に服部学園で「親子でオリジナルソース作りに挑戦」という教室を開いていただきましたよね。小学生のお子さんたちが自分たちで野菜を切って、煮込んで、でき上がったソースを瓶に詰めるまでを体験するという。
池田
ソースはトマトを中心としたさまざまな野菜とスパイスでできているのですが、消費者の皆様にきちんと伝わっていないようで、ご存じない方が多いことに気がついたんです。ソースメーカーとしてこれは問題だということで、さまざまな広報活動をしています。
服部
食品メーカーが行う料理教室はその食材や調味料を使った調理に主眼が置かれていますが、調味料そのものを自分たちの手で作って理解しようというのはまさに食育ですね。
池田
はい、食育も食文化も家庭が基本と考えていますから、食の楽しさを伝える活動や製品作りにより一層力を入れて行きたいと思っています。ところで、服部先生はもんじゃ焼をご存知ですか?
服部
東京の月島を中心に下町にたくさんお店がありますよね。東京版のお好み焼きといった説明で良いでしょうか?
池田
はい。実は月島でお土産として売っている「月島もんじゃ焼セット」という人気商品があって。これは弊社で製造させてもらっているんです。20年くらい前に私が商品開発したんです。揚げ玉の数にまでこだわって(笑)
私どもの会社では、社員に家庭内で年に何回かもんじゃ焼パーティーをしてくださいって言っているんです。家族やお友達とみんなで食材を買いに行って、作って、食べる。そういう楽しさを率先して普及して欲しいからなんですけど。好評なんですよ。
服部
みんなで会話を楽しみながら一緒に作って楽しく食事をするという食育の基本がもんじゃにはあるというわけですね。
池田
「幸福感」こそが私どもの会社の理念ですから、そういっていただけるのが何よりうれしいことです。私どもは幸福感を「お客様やご家族が毎日元気に暮らすこと」と定義しております。元気に暮らす源は、まさに「食」にあるのですから、「安全・安心・健康」な食を提供することが私どもの務めと考えて製品作りをしています。
服部
私も食育では、「安全・安心・健康」なものを提供して欲しいとメーカーさんにお願いをし、消費者の方には、「安全・安心・健康」に気づき、そういったものを自分で選べるようになっていただくための活動をしています。
ブルドックソースのボトルを見ていて感心させられるのは、堂々と表のラベルに「食品添加物(着色料・増粘剤・化学調味料・甘味料)を加えていません」と印刷されていること。多くの製品は、背中のラベルに細々と添加物を列記していますから……。

メーカーも消費者も、 安全・安心・健康を 思うことが大切

池田
「食文化」とは何かと考えたとき、グローバル化されない、つまり合理化されずその国や地方で受け継がれて行くものかと思いまして。そう考えますと、食文化の基本はやはり家庭食が一番ですよね。ですから、ソースもなるべくシンプルで添加物なども使わない商品開発に力を入れて参りました。
服部
野菜やスパイスなど素材を吟味され、時間をかけて作っていらっしゃる。こういうことをポリシーとしてラベルにはっきり明記されているんですね。
池田
でき上がったものを何でも買える時代ですけど、でもやっぱり一番安全なのは、野菜でも何でも、自分で鮮度を確かめて買ってきて、洗って、自分で調理することだと思うんです。そういう安全な家庭食に添えるソースでありたいですよね。約20年前には有機野菜の製品も出すなど、無添加も含めて、おそらく業界の先駆けだったと思います。
服部
トップメーカーとして、業界全体の向上も意識していらっしゃるんですね。さすがです。そういえば、池田社長は日本ソース工業会の会長も務めていらっしゃいますよね。
池田
ええ、実は2年前に11月7日を「ソースの日」と制定したのですが、これは1947(昭和22)年11月7日に日本ソース工業会が創設されたことに因んでいます。あるいは日本に初めて伝わったウスターソースのエネルギー量が100グラムあたり117キロカロリーだったとか……。そのまま読むと「イ・イ・ナ」で、「ソースはやっぱりいいな」と縁起がいいということもあって(笑)
服部
いろいろ面白い語呂合わせですね。地方にも独自のソース文化があるようですが、何社くらいあるんですか?
池田
ソースメーカーは全国に200社以上あると言われていますが、現在は200社が会員になっています。よりよいものを作ってソース業界全体の水準を上げ、ソースのさらなる魅力や新しい活用法を消費者の方に知っていただき、日本の豊かな食文化を支えていきたいと願い活動しています。
服部
日本の食文化にソースは欠かせませんから、これからもご活躍を期待しています。
池田
ありがとうございます、今後、若い方々と更にコミュニケーションを取る機会を増やしながら、地道に研鑽を積んで行きたいと考えています。

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