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HATTORI食育クラブ 食育通信No.18

対談

食育を提唱する服部幸應氏と、2009年に創業100周年を迎え、
世界の食卓においしさを届けることを使命とする味の素株式会社
代表取締役専務執行役員食品カンパニー プレジデント伊藤 雅俊氏が
「食とうま味」について語ります。

伊藤 雅俊
味の素株式会社代表取締役専務
執行役員カンパニー プレジデント
(写真左)

服部 幸應
服部栄養専門学校 校長/医学博士(写真右)
服部
味の素さんは2009年に創業100周年を迎えるにあたり、「味の素ルネッサンス活動」を開始されたとお聞きしました。
伊藤
1908年に池田菊苗博士が、うま味はアミノ酸の一種であるグルタミン酸だということを発見し、その翌年に創業しました。「味の素ルネッサンス」とは、グルタミン酸本来の価値を再確認し、世界に向けて情報発信しようという活動です。日本人が素材の持ち味を活かして食べているというだし・うま味の文化を世界に紹介したいと思っています。
服部
世界中で、日本語の「うま味」という言葉が広まろうとしているのですから、すばらしいことです。
伊藤
「塩味、酸味、苦味、甘味」の4味に「うま味」を加えて5つの基本味があることは学問的にも確立されています。
服部
それぞれの役割がありますね。苦みは毒のあるもの、酸味は食べていいか悪いかを判断するもと、甘みはエネルギーになり、塩味は体に必要なもの。うま味はタンパク質だということを感じるものなのです。
伊藤
舌と同様に胃にもうま味を感じるセンサーがあるのです。うま味を胃が感じて、「消化活動を始めなさい」と指示を出します。消化というのは、食べ物の分子のレベルまで小さくし、腸から吸収されやすくして、最終的には体の細胞に入っていきます。食べたものは全部体のどこかにいき、体を健康に維持するもとになります。今度カルピスさんとも腸内細菌を考慮した「アミノ酸と乳酸菌」で健康づくりに、より貢献するプロジェクトを進めています。
服部
アミノ酸の高度利用もされ、さらに食と健康に貢献されることを拝見いたしました。
伊藤
家庭の食卓が変わってきているなか、食べ物は本当に大事なものと認識したいです。つくってくれた人に対する感謝の気持ちも大切ですね。
服部
本来、「いただきます」は、動植物の命をいただいていることですから、「ではよろしいですね、いただきますよ」と感謝の気持ちをこめて言うべきです。「ごちそうさま」は、四里四方まわって集めてつくったお祝いの品や行事の品ですから、「よくぞかき集めてくださいました、ありがとうございました、ごちそうさま」と言うのです。日本人は、モラルまで日本の食べ物と一緒になくなっていますね。
伊藤
家族そろって食べ、コミュニケーションやマナーも一緒に教える。大事なのは、お母さんがつくった料理をお父さんが褒めることだと思うのです。それからお父さんが月1回でもいいから料理することです。そのことが、食の大切さを子供に伝えることにつながるのではないでしょうか。
服部
食卓で親が大事なことを教えられない理由に、日本人はテレビをみながら食事をする習慣率が世界で一番が高いこともあげられます。68%の家庭がテレビをつけっぱなしで食事している。日本以外の世界の平均が32%です。
伊藤
家で料理をしましょうと家庭の食卓がいかに大事であるということ伝えるために、「うちごはん」という料理番組を提供しています。
服部
その番組は、当校で監修をさせていただいています。
伊藤
食事がどんどん欧米化していることはすべてが悪いことではないのですが、日本人の食の特色を生かして、バランス良く食べることが前提だと思います。今後もさらにだし・うま味を伝えていきたいと思います。
服部
そうですね。とても良いお話をありがとうございました。

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