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HATTORI食育クラブ 食育通信No.35

対談

能登の地で、海と大地の恵みの融合を

野田 實
株式会社スギヨ 常務取締役
(開発本部長)農学博士・技術士
(写真左)

服部 幸應
服部栄養専門学校 校長/医学博士(写真右)

本物を超える“かにかま”を

服部
かに風味かまぼこ、いわゆる“かにかま”といえばスギヨさんですが、沿革を簡単に教えていただけますか。
野田
はい。1868年、明治元年に能登半島の七尾市に創業し、鮮魚や練り物を扱っておりました。1952年にビタミンちくわを発売するなど常に新しいものをつくり、1972年に戦後三大発明食品といわれる“かにかま”を発売いたしました。
服部
アメリカでも大変なブームになって、驚いたことを覚えています。
野田
高たんぱく低カロリーであることが人気の理由かもしれませんね。“かにかま”を発売してからも、本物のカニを超える製品作りに研究を重ねてきました。「香り箱」は、先人達が築き上げてきた技に、食品工学、培養工学、化学、微生物学、栄養生理学などを専門とする技術者が加わり完成させました。
服部
「香り箱」は、はじめは本物かと思いました。リアルな加工技術はここまできたかと。
野田
開発中に、従来とは異なるアプローチを試みたところ、これまでにない物性になりました。発酵熟成工程と申し上げておきますが、製造方法を守秘するために、特許は申請しておりません。さらに、食は安心安全が基本ですので、人工色素から、トマトやパプリカの天然色素へ代えました。
服部
御社の努力と技術力には舌を巻きますよ。


日本の伝統を伝える

野田
練り製品の消費量は、昭和40年代は100万トン前後ありましたが、現在は半分まで減ってきています。日本食は良いというイメージが世界的にありますが、日本で伝統的なものが失われていますね。
服部
衣食住の伝統を伝えることは、食育の大切な柱です。原点を大事にする会社は貴重です。
野田
服部先生とのコラボレシピをぜひご家庭で実践していただきたいです。当社には毎年約3000人の子どもが工場見学に訪れますが、子どもの魚や野菜嫌いを防げたらと、会社案内に「食育戦士スギヨ仮面」を採用しました。
服部
You Tubeで拝見しましたが、いいですね!うちもやりたいですよ。
野田
練り物を食べなかった子どもが、スギヨ仮面を見て食べるようになったそうです。そういう話を聞くとうれしいですね。

農園経営

野田
平成19年から農地を借り、とれた野菜は自社製品に使用したり、地元のスーパー、レストラン、学校給食用におろしています。生産過程で出る野菜クズは、堆肥にして農地に還し、有機栽培に活かすシステムを構築中です。
服部
御社の中で海と大地が融合すると。
野田
はい。地産地消の考えから、魚の食品加工と農業をあわせ、能登の自然に良い循環を作ることができれば、と考えています。一次、二次、三次産業も融合した、六次産業を実現しています。
服部
大きな歴史を背負いながら常に新しい取り組みをされ、素晴らしいですね。地域活性から世界を視野に入れ、どこにも負けないものをぜひ作っていただきたいです。本日はありがとうございました。

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