食育に関する情報・食育の実践なら 【HATTORI食育クラブ】

メディア

HATTORI食育クラブ 服部幸應コラムNo.4

なんちゃってノロウイルスをつくる

すでに一部の桜も咲きほころんで、今年は早めの春が訪れていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬を過ぎると色々な感染症がおさまってきますが、四季を通して油断できないのが「ノロウイルス」による食中毒です。

ノロウイルスは、汚染された食品や感染している人が調理したものを食べること、ヒトからヒトへ飛散することなどで感染します。感染すると1?2日間潜伏期間があり、症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、軽い発熱など。1?2日ほどで症状はおさまりますが、しばらくウイルスが体内に留まるので他の人への感染に気をつけなければなりません。

さて、「ウイルス」は生物と非生物の間をとったような不思議な存在です。遺伝物質をもち他の生物に寄生して増殖します。細菌の100分の1程の20? 300nm、電子顕微鏡でやっと見られる小さなサイズです。
かつては小型球形ウイルス(SRSV)とも呼ばれていたノロウイルスは、ウイルスの中でも小さく、また培養が難しく、食中毒の原因として特定することが困難でした。

ノロウイルス研究の発展のきっかけは、1993年に「ゲノム」の全貌があきらかにされたこと。「ゲノム」とは生物の遺伝情報のすべて、設計図ともいえるものです。

ゲノムの情報を利用して、ノロウイルスを感度良く特定する方法がつくられていきました。
その中のひとつが「なんちゃってノロウイルス」をつくりだし、食中毒の原因であると特定するシステム。

ノロウイルスゲノムの一部を、昆虫の細胞の中で「ウイルスのカラ」をつくることができる 「バキュロウイルス」に組みこむと、ノロウイルスによく似たウイルス様粒子(VLP)をつくり出すことができます。

次に、できあがったVLPをウサギに感染させると、ウサギは免疫反応を起こし「抗体」をつくります。抗体とは病原体を識別するために使われるもので、いわばノロウイルスを鍵とする「鍵穴」。

そのウサギに持たせた鍵穴を利用して、ノロウイルス検出キットを構築するのです。

ノロウイルスはさまざまな遺伝子の型がありますが、現在はその60%がカバーできているそうです。さらに新しい遺伝子の型が発見され続けているので、新たにキットをつくり続けなければなりません。

「ふきん」豆知識

生活に欠かすことのできないふきん。
一般的に使われているふきんで、よく見かけるのは、綿素材です。
綿素材のガーゼには大体、『でんぷんのり』が使用されています。
通常の綿のガーゼふきんには、でんぷん糊がバリバリ付いているのです。これを落とすのに面倒な作業をしなければなりません。

では何故面倒なのにわざわざ使用するのでしょうか?

これは糊を付ける事により、ガーゼの薄さをごまかすのと、商品を美しく見せる為のものであって、何も使い手側の為にはなっていません。
しかし、糊をつけないと生地は薄く縫製もできません。

ふきんの生地の重ね枚数を増やし、ガーゼ自体もしっかりさせる事で、耐久性が強く、糊の無い吸水性の良いふきんを作ることができます。

バナースペース