食育に関する情報・食育の実践なら 【HATTORI食育クラブ】

メディア

HATTORI食育クラブ 服部幸應コラムNo.74

「型くずれ」ではなく、「型やぶり」に

学生に対しての授業では、基本の大切さのお話をします。
店に入ると修行をしますが、まずは洗い物、食材の処理の仕方、庖丁の入れ方、塩梅、だし、素材の味の引き出し方、そして最後に火の入れ方を教わります。
まかないは、修行者の実力をはかるためのもの。
うまみの引き出し方が上手だ、塩梅が悪い、火入れの状態はまずまず、といったように基本の評価をして、まかせられるかどうかを判断しているのです。

この料理でこの素材は、斜めに切るのか、ささがけにするのか、すりおろすのか。
繊維は断つのか、沿うのか。なめらかにするのか、食感は残すのか。

基本がしっかりしていれば変化させることができ、「型やぶりで素晴らしい料理」をつくることができます。
基本をふまえずに最初から新しいものをつくろうとすると、「型くずれ」となり、料理が何ものでもなくなる。
「型やぶり」と「型くずれ」の違いがわかる人を育てたいと考えています。

料理だけではなく、すべてに通じるお話かもしれません。
今後も、基本を大切に食育をすすめていこうと考えています。

バナースペース