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HATTORI食育クラブ 服部幸應コラムNo.52

水の惑星と日本人

水は命のみなもと。
食べものをつくるにも、おいしいお茶を淹れるにも、体を清潔に保つにも、水はかかせないものです。

水の惑星といわれる地球ですが、地球上にある水のうち97.5%は海水。
飲料水などに使える淡水は2.5%程 度です。
そしてほとんどが南極や北極などの氷河となっていて、川や湖は0.01%程度。さらにほとんどが地下水なので、0.0007~0. 0004%程度を私たちは利用している状況です。
このわずかに使える水を、私たちは汚してしまっています。

水の汚れの原因はどこにあるかご存知でしょうか。
工業排水を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、じつは7~8割が家庭からの生活排水が原因だといわれています。
たとえば米のとぎ汁2リットルを流してしまうと、魚が住めるレベルに浄化するには、バスタブ4杯分、1200リットルの水が必要なのです。
中性洗剤や食べ残しなど、何気なく流してしまっていませんか?

また、日本の食料自給率は40%、60%を輸入に頼っています。
野菜や牛、豚を育てるにもたくさんの水を使っているので、農作物や畜産物などと一緒に水も輸入しているという考えかたがあります。これをバーチャル・ウォーター(仮想水)といって、現地で育ててくれている水も大事にするための指標となっています。
世界では、水が原因で亡くなる方が1日で5000人おり、また10~11億人の人が水不足に苦しんでいるといわれています。11億人のうち1/3の水は、日本人が使ってしまっているのです。
この事実を知っていますか?これは日本人の問題であるといっても過言ではありません。

今年の3月20日~3月22日の3日間、300を超える東京のレストランなどで「Tap Water Tokyo」という運動を行いました。
コップ1杯の水道水に100円以上の寄付を募り、水に恵まれない子どもたちへ送るというものでした。
100円を寄付すると、子ども1人が40日間水を飲めるようになります。
「Tap Water Tokyo」のような運動もすすめながら、私たちは水の扱い方を知っていかなくてはなりません。

水を大切に使うこと、使っても汚さないこと、しっかりと意識をもって行動していきたいですね。

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