今年は食の問題に直面するさまざまなできごとが起こりました。
小麦や石油の高騰、冷凍ぎょうざなどの事件では、食料輸入の問題を身近に感じられたのではないでしょうか。
小麦、大豆、とうもろこしなどはアメリカやカナダから、加工食品や生鮮食品などは中国から輸入しています。
原産地が悪いというわけではなく、誰がどのように食べものをつくっているかわからないことが、食の不安につながっています。
いま、食の安心安全とは何かを改めて見直す良い機会であると思います。
安心安全のために必要なことのひとつは、食料自給率を上げることです。
現在日本の食料自給率は40%。60%の食べものを外国に頼っており、日本にある畑の2.7倍もの土地を外国に依存しています。
食料を輸入するということは、外国の肥沃な土地を使い、貴重な水を使い(バーチャルウォーター)、石油をたくさん使って運んでいる(フーフードマイレージ)ということでもあります。
地球上で食べものをつくることができる場所は限られています。その中で、世界全体で80億人分の食料をつくることができるといわれています。
現在世界人口は68億人ですが、恵まれているのは1割に満たない人々のみであり、おかしな偏りが起きてしまっています。日本では60%を輸入して、そのうちの40%を食べ残しなどで捨ててしまっているのです。
二〇五〇年には世界人口は92億人になるといわれています。自然破壊などによって耕地面積も減っており、これから温暖化や砂漠化など気象条件によっては80億人分さえ食料をつくることができなくなるかもしれません。
食べものが目に見えて足りなくなる時代が目前なのです。
食料を増やすための技術も開発され続けていますが、やはりひとりひとりの行動が重要になります。
ご家庭の食卓で子どもに食の大切さを伝えたり、まずは大人がもったいない精神を持って行動していきましょう。