最近月を見上げていますでしょうか。
十六夜(いざよい)、居待月(いまちづき)、眉月(まゆづき)など、昔の人は月にさまざまな名称をつけており、関心の高さを感じさせます。月の満ち欠けで日を読んでいたため、毎日月を観察していたのです。
明治5年まで使われていた旧暦である「太陰太陽暦」では、新月が1日。
「月立ち」がなまって「ついたち」になったと言われています。三日月はその名の通り、3日目の月を指し、満月は15日前後。
一五夜という言葉は、現代では旧暦8月15日の中秋の名月を特に言いますが、かつては毎月15日の月を指しました。
7月7日の七夕の夜、雨に見舞われて天の川にお目にかかれなかった思い出もあるのではないでしょうか。
旧暦の7月7日は、新暦8月中旬の初秋で雨は少なく、7日目の上弦の月は早くに沈むので、晴れた夜空に星が見えるのです。
現在私たちは旬を感じにくくなっていますが、行事食の食べ物も、旧暦でみるとぴったり合います。
また、太陽や月などの天体が地球に与える影響は大きく、動植物の生態に関わります。
そのため、旧暦は農業・漁業にはもちろん、人の体調管理にも活用されていました。
月を観察し、旧暦を意識すると、特に日本料理をつくる時に食の本質が見えてくるのです。