8020(はちまるにまる)運動というものをご存知でしょうか。
80歳まで自分の歯を20本残しましょうという取り組みです。
現在、80歳で12本くらいしか残っていません。歯をじょうぶにするためにはよく噛むことが大切ですので、今日はそしゃくについてのお話です。
日本人の噛む回数は、時代とともに減ってきています。
弥生時代は、1回の食事で3990回噛んでいました。平均の食事にかける時間は51分です。
鎌倉時代は、噛む回数が2654回、食事時間は29分。
昭和10年ごろは、噛む回数が1420回、食事時間は22分。
現代は、噛む回数が620回、食事時間が11分だと言われています。鎌倉時代の1/4になってしまいました。
現代はみなさん忙しいので、食事は時間をかけず手軽に早くとるという傾向になり、またやわらかいものがおいしいと感じられるようになったので、減ってしまったようです
よく噛むと、良いことがたくさんあります。たとえば、噛んでいるとつばが出てきます。
つばは消化酵素ですので、食物と一緒に胃に入り腸へと流れていくと、消化を助けて有益な働きをする菌の栄養になりやすくなります。すると胃腸にもやさしく、全身の健康につながります。
よく噛むことの効果をまとめると、肥満防止、味覚の発達、言語の発音が良くなる、脳の発達、歯の健康、がん予防、胃腸の働きを良くする、全身の体力の向上となります。
これらの頭文字をとって「ひみこのはがいーぜ」といいます。
一口30回噛むことが理想だといわれていますが、なかなか難しいようです。固めの食材を選ぶことも噛むことにつながりますし、野菜を皮つきのままゴロゴロに切るなど、調理の仕方を工夫することで回数を増やすことができます。
また、噛む回数を増やすテクニックとして3ステップあります。
1.食べものを口に入れたら箸を置く。
2.右側の歯で5回、左側の歯で5回、もういちど右、左と繰り返す。
3.最後に両方の歯で10回噛む。
よく噛んでいると味わいも深くなり、健康につながりますので、ぜひ噛むことへの努力は惜しまないでいただきたいと思います。