あけましておめでとうございます。
お正月気分も切り替わっているころだと思いますが、旧暦を意識してみると、お正月はもう一度やってきます。
明治5年まで使われていた旧暦は月の満ち欠けをもとに日付をよみ、太陽の周期も考慮したなかなか優れた暦です。
アジアでは種まきなど農業に役立てられました。
現在日本で使われている新暦は、太陽を基準にしたヨーロッパの暦です。
今年の旧暦1月1日は1月26日です。
旧暦で暮らしていたころのお正月は、じつは立春を基準に考えていました。
今年の立春は2月4日です。立春に一番近い新月を、新年の1月1日としていまし た。
年賀状に新春と書くのは、お正月はまさしく春だったからです。
立春は寒さの極み。もっとも寒くなるとそこには暖かさのきざしがあり、もう暖かくなる一 方だという考え方から春立つといいます。
旧暦が面白く感じられる行事は、たとえば7月7日の七夕。
新暦では梅雨で、雨が多くなります。旧暦では実は晴れの多い初秋。
7日はかならず上弦の月になり、上弦の月は早く沈むので、天の川がとてもよく見えるのです。
そして、食べものがおいしく栄養が豊富になる「旬」について。
行事食は旬を感じやすいものですが、伝統ある行事は旧暦とともに発展していますから、旬は旧暦でみた方が日本の食にあっています。
たとえばひなまつり。ひなまつりに食べるはまぐりは新暦ではまだ育ちきっておらず、旧暦の3月3日ごろにおいしくなります。
日本人が長い間親しんできた旧暦を意識してみてはいかがでしょうか。いっそう日本の文化を感じることができると思います。
そして、2月9~11日には「世界料理サミット」が開催されます。この豊かな日本文化を見直し、発信するチャンスにしたいですね。